新車のキャンピングカーってキャンセル出来るの?
キャンピングカーの納期は1~2年、長ければそれ以上の場合もあります。
しかし1年も経てば心境の変化や、経済的情勢、病気や怪我などで発注した時と環境が変わっている場合があります。
最近よく耳にする話が、「1年前に新車を注文したけど、病気になってしまいキャンセルしたいと申し出たら高額なキャンセル料を請求されてどうしようか困っている」という事が増えています。
そこで今回は、キャンピングカーのキャンセルについて解説していきたいと思います。
- キャンピングカーのキャンセル料はなぜ高額なのか
- やむ得ない事情でキャンセルしたい場合は?
- 消費者として主張すべき点
- どうしてもキャンセルできない場合はどうすれば良い?
- 納期の長いキャンピングカーのを購入するときの心得
1.キャンピングカーのキャンセル料はなぜ高額なのか
キャンピングカーのキャンセルを販売店に申し出た場合、大体は「キャンセルは出来ません」と言われます。
やむを得ない事情だからどうしてもキャンセルしたいと言うとキャンセル料の提示があることが一般的です。
ではなぜキャンセルができないのかを解説していきます。
キャンピングカーは普通の車と異なり、購入者が注文をしてからベース車の発注します。
つまり発注を請け負った段階でメーカーにベース車の注文を入れるため、この時点で損害が出るわけです。
購入者の発注が無ければビルダーもベース車をメーカーへ注文しないので損害だと言われたら当然と言えば当然です。
キャンセル出来ないと言われる理由はまずココにあります。
そしてキャンセル料は経過とともに変化していきます。
経過とは、
①契約書の取り交わし
↓
②ベース車発注
↓
③制作、組み上げ、製造工場でメーカーオプションの取付
↓
④販売店へ輸送、販売店オプションの取付
↓
⑤車検証登録
注文~納車まではこのようなケースがほとんどです。
では項目ごとにキャンセルした場合のケースを解説していきます。
①契約書の取り交わし
契約書を取り交わして1週間以内ぐらいでは、キャンセル料は発生しないもしくは、発生しても数万円程度と見てよいでしょう。
②ベース車発注
ベース車を発注する段階になると通常は支払い方法を確定させます。
現金の場合であれば、中間金として販売価格の1~5割程度を入金します。
オートローンの場合は審査を通過して、いくらかの頭金を入れます。
このフェーズからキャンセルは出来ないと言われることが多いです。
キャンセルを申し出た場合は、ベース車を発注した損害金として請求されるケースもあります。
各会社によって方針は違うので確認が必要です。
③制作、組み上げ、製造工場でメーカーオプションの取付
この時点ではベース車は加工されています。
ボディを切ったり、シェルを載せたりしていますので原則キャンセルは出来ないと考えたほうが良いです。
キャンセルを申し出た場合は、販売価格の3割~請求される事も珍しくありません。
あくまでビルダーは購入者の発注により、加工製造をしているわけですからキャンセルの購入者責任は重くなってきます。
④販売店へ輸送、販売店オプションの取付
製造工場で完成し、販売ディーラーでナビやETCなど一般電装品などを取り付ける段階です。
この時点でキャンピングカーは99%完成しています。
キャンセルは出来ない、もしくは相応の損害金はやむを得ないでしょう。
⑤車検証登録
登録が完了して車検証が交付され、ナンバーが付いた状態です。
この時点で「新車ワンオーナーの中古車」となります。
所有出来ないと判断した場合はキャンセルではなく、売却となります。
新車価格との差分は、キャンピングカーにもよりますが3~4割減と見る必要があります。
キャンセル方法や売却について相談してみる
2.やむを得ない事情でキャンセルしたい場合は?
まずはキャンセルする理由をまとめて、誠意をもって販売店と話し合いましょう。
キャンセルは会社にとって大きな事案ですから最終判断は、営業担当者ではなく責任者になると思います。
しかし相手も人間です。
長い納期を待って購入を決意したキャンピングカーをキャンセルしなければならないという事は購入者にとって苦渋の決断です。
キャンセルしなければいけない理由を営業担当者へしっかりと話しをすることによって、営業担当者や会社も「何とかしてあげたい」という気持ちになり、双方にとって良い活路が生まれるかもしれません。
逆に、喧嘩腰や横柄な態度はNGです。
先ほど書いた通りで相手も人間で感情が有ります。
そもそも発注の要因を作ったのは購入者なわけであり、身勝手なキャンセルでおまけに態度も悪ければ心象が悪いでしょう。
やむ得ない理由を明確かつ丁寧に話をしてみましょう。
3.消費者として主張すべき点
前提として車は「クーリングオフ」は出来ません。
自分の意志で販売店に出向き購入しているわけですから、訪問販売や電話営業などのように購入するきっかけの要因を作り出されてはいないからです。
では消費者として主張、確認すべきと事はどこかを解説します。
①注文書にサインする前に約款をよく見る。
約款は注文書裏側などに細かく書いてあります。
これを見ずにサインする方も多いですが、契約とは見る見ないの事実ではなく、サインをした時点で「確認しました」という事になります。
購入する前に、不安点や疑問、、もしキャンセルした場合はどうなるかもしっかり聞いておきましょう。
気になる部分は、後で言った言わないの水掛け論になる前に注文書備考欄に書いてもらいましょう。
②自販連の契約成立時期
自販連や自動車公正取引協議会では、契約の成立時期を下記のようにアナウンスしています。
1.納車
2.使用者の登録完了
3.注文者の依頼により点検・整備などに着手
1.2は納車直前の事なので割愛しますが、3.注文者の依頼により点検・整備などに着手ではベース車の発注も含まれます。
従って、注文書を取り交わして時間が経過していない段階では主張するべきでしょう。
あくまで自販連の喚起なので、会社独自の約款を使っている場合は契約書を取り交わした瞬間から契約時期の成立になる場合もあるので、注意が必要です。
4.どうしてもキャンセル出来ない場合はどうすればいい?
この場合は、下手にキャンセル料で言い争うよりも納車後に未使用で売却したほうが賢い場合があります。
キャンセル料の金額と、新車価格-売却額の差分を冷静に判断することをおススメします。
感情的に販売店と言い争っても額面で見たら損を大きくする場合もあります。
ビルダーからすると、損害金を請求するのは当たり前な事です。
購入者は契約書を確認して自分の意志で発注しているわけですから、ココをまず念頭に入れて「損金を減らすにはどうすれば良いか」を冷静に考える必要があります。
納期の長いキャンピングカーは想定よりも高い価格で売却できる可能性もあります。
5.納期の長いキャンピングカーのを購入するときの心得
憧れのキャンピングカーを目の前にしたら欲しい衝動に掻き立てられると思います。
このキャンピングカーに乗ってあそこに行ったり、、、楽しそう!と想像が膨らみますね。
しかしそれで安易に契約するのは、ちょっと待ってください。
車は住宅の次に高い買い物と言われています。
それを夢や希望、営業マンの心地よい合いの手で決めてしまうのは危険です。
納期の長いキャンピングカーを購入するときは、1~2年後まで想定して契約することが必要です。
「1~2年後の想定は出来ないがキャンピングカーがとにかく欲しい!」と思ったら、選択肢を広げて考えてみましょう。
例えば、展示即納車や中古車も一つの手です。
キャンピングカーは購入して大満足する方と、思いのほか使わなかったという二通りに分かれます。
キャンピングカーの中古車を見れば分かりますが、10年以上経過しているキャンピングカーが走行距離2万キロなどざらにあります。
キャンピングカーは一般的な乗用車に比べればリセールバリューの高い商品なので、納期に不安を感じる場合は即納車や中古車を視野に入れても良いと思います。
そして冒頭にも書きましたが、キャンピングカーへの浮足立つ気持ちを押さえて約款やキャンセルの場合の対応を明確にして購入判断をするのがベストだと言えます。
いかがでしたでしょうか。
最近は納期の長さにより、当社でもこのようなケースで悩まれて相談されてこられる方が多数いらっしゃいます。
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